クロエ詩集 ２ページ
クロエ詩集 ２ページ
「ホームレスとうちゃん」 「マリア様の時間」 「神様 I Love You」
「苺狩り」
光のさす玄関
ピンクの蘭の横に
苺の苗がある
幸の香
苺にはまだ早い季節
しかし
暖かい我が家で
たくさんの花をつけ
実を
一個づつ実らせる
白い実は
太陽の光を浴びて
段々紅く染まっていく
ちぎる頃には
甘く熟した苺になる
人も同じ
いつまでも白くはない
何らかの力を受け
紅く甘く
熟していく
少し早い苺狩り
場所は我が家の玄関で
甘い苺を
お一つ如何？
2005/2/3 23:24
「あなたの心にこんばんは」
今夜も私はダイブする
あなたの心という海に
青く透き通った
心
あなたの涙も
汗も
全て感じられるわ
海を通じて
私達は一つ
あなたの血潮の中に
溶けていく私
青く深い
限りない世界のどこに
あなたの心はあるのかしら
ただ
深く
ダイブする
私は
機材をつけた
機械仕掛けの
人魚
今夜も
あなたの心に
こんばんは
2005/2/7 3:31
「漢江の流れ」
人の人生も同じだけれど
同じところに留まると
そこは
淀んでしまい
清浄さを失ってしまう
漢江は何の滞りも無く流れ
いつも美しい水を
海へと
運ぶ
私も流れたい
美しい
漢江の様に
自然に
私の魂が求める場所へ
もう流れているのだろう
私の人生は
新たな場所
新たなものを求めて
何かを
得て
何かを
手放す
その繰り返しが
人の人生で
最後に
大きな海へとたどり着く
2005/2/19 14:30
「シエナの聖カタリナへ」
聖カタリナ
ここは私がこっそり
あなたに捧げた場所
ここが稼動し始めたのは
あなたの祝日
早くから
神への思いに
目覚めたあなたを
敬愛します
その美しさから
試練に出会ったあなたは
ご自分の
美しさを
消してくださる様に
神に望みましたね
私は俗世に生きていて
あなたとは違い
多少
自分の美しさに
執着を隠せません
私は
あなたにはなれません
あなたは一つの魂
私も別のタレントを持つ
別の魂です
でも
私はあなたを敬愛し
あなたの強さに
焦がれます
私のために
お祈り下さい
†
2005/2/19 14:40
「rainbow」
グラスの中で
層を作り
青い炎に揺らめく
reinbow
微妙な比重を計算され
かもし出される美しさ
甘く
甘く
誘惑するが如く
熱く
熱く
青い炎は揺れる
ストローを差したとたん
カオスとなる
美
人の生の
重なりの様に
色を重ね
一瞬に
混ざるが様は
全てを物語る
青き炎は
祝い火
消えた炎の陰で
喉に
熱き情熱を注ぐ
reinbow
虹は一瞬
2005/2/24 1:31
「傷」
笑顔でいなさいと言われて
笑顔はたくさんつくれるけれど
笑顔しか肯定できなくなった
皆の安心のためだと
笑っていた 私
あなたは知らない
お母さん・・・
泣くなと言われて殴られて
痛いから泣く私を
泣くなと言ってまた殴った
泣くのはだめだと
涙をなくした 私
あなたは 知らない
お父さん・・・
もう細く白いあとになって
残った傷跡
もう重なることはないと・・・
そう誓っていた
その新たなキャンバスに
私は自らの爪で
赤く描く
SOSと
真っ赤な血と
みみずばれ
2005/5/25 7:45
「とらわれ人」
私の心を汚すなら
おとなしくなどするものか
お前は私を惑わすつもりが
今は私のとらわれ人
デスクトップを祭壇に
わが血を犠牲に
あやつりの儀式
指に血潮の紅を受け
モニターに書く
殺人者
殺人者
の
濡れた血文字
私はお前を捕まえた
波乗り鬼はもうおしまい
私の右手はお前の心臓
血のぬくもりが伝わった
私がこの手を閉じたなら
この一瞬で砕け散る
波の向こうのどちらかで
大きな叫びがこだまする
堕ちた思いを抱くもの
近づくことなかれ・・・
近づくことなかれ・・・